コベストロの長期的な経営戦略が大きく前進

コベストロ、DSM社から世界トップのサステナブルな コーティング樹脂事業を買収

  • コベストロは、サステナブルなコーティング樹脂という魅力的な成長市場の世界最大手に
  • 強力なイノベーション能力を結集し、サーキュラーエコノミーへの移行を加速
  • 優れたポジションにある製品ポートフォリオとアプリケーションにより既存事業を補完することで顧客のニーズに応える
  • 買収により売上が10億ユーロ、EBITDAが1億4千1百万ユーロ増加
  • 16億1千万ユーロの買収額は、2021年EBITDAの5.7倍(将来のシナジーを含む場合)という魅力的な企業価値を反映
  • 年間約1億2千万ユーロの実質的なシナジー

コベストロは、9月30日、Royal DSM社からレジンズ & ファンクショナルマテリアルズ事業(RFM)を買収する契約を締結しました。本買収により、魅力的な成長市場であるサステナブルなコーティング樹脂のポートフォリオが拡大し、これにより、サステナブルかつイノベーション主導型の事業を強化するという当社の長期的な経営戦略が大きく前進します。RFMの売上約10億ユーロ、EBITDA約1億4千1百万ユーロ(2019年)が加わることにより、コベストロの塗料・接着剤・スペシャリティーズ事業(CAS)の売上は、約34億ユーロ(2019年試算ベース)に拡大し(40%以上の増加)、戦略的成長の重要なステップとなります。本買収により、サステナブルなコーティング樹脂の分野で世界最大手のサプライヤーとなり、広範囲かつイノベーティブな製品ポートフォリオによって、顧客に対して説得力のある、付加価値の高い提案をすることが可能となります。今回の買収額について、コベストロは、16億1千万ユーロで合意しており、エクイティとデットを用いて調達します。

コベストロCEOのマーカス・スタイレマンは、「この買収は、当社の経営戦略にとって重要なステップです。RFMにより当社の事業の成長軌道は強固なものとなります。RFMの擁する強力なイノベーション能力、サステナブルな製品ポートフォリオ、テクノロジー、成長産業と当社の既存事業を組み合わせることで、大きな価値を生み出すことができます。これは、サーキュラーエコノミーへの移行に向けたイノベーションを推進するための重要なステップにもなります」と述べています。

既存のテクノロジーや顧客ポートフォリオを補完

RFMの統合により、事業規模が拡大し、技術力も向上します。より強力な成長プラットフォームを通じて、既存の顧客や将来の顧客だけでなく、RFMの従業員も利益を享受することができます。コベストロは、現在でも水系ポリウレタンディスパーション分野における大手ではありますが、RFMの買収により、水系ポリアクリル樹脂全般、水系ハイブリッド技術、パウダーコーティング樹脂、放射線硬化樹脂などが新たにポートフォリオに追加されます。また、RFMには、サステナビリティの観点から強力なブランド力を持つNiaga®や、アディティブマニュファクチュアリング(積層造形、3Dプリンティング)に加え、先進的な太陽光発電向けコーティング事業も含まれています。

今回の買収により、コベストロは産業界において多様な認知を獲得し、魅力的な高成長市場におけるポジションも大幅に強化されます。その中でも特に、5Gという先端技術を含め将来的に大きなポテンシャルがある「光ファイバーコーティング分野」において、また「3Dプリンティング材料」という平均20%以上で成長している魅力的な高成長セグメントにおいて、最大手のサプライヤーとなります。グローバルの地域拠点が最適化されることで、すべての主要市場において、顧客により近い場所で事業を運営することが可能となり、グローバルの生産ネットワークは20拠点以上増加します。

両事業とも、意欲的なESG (環境、社会、ガバナンス)目標にコミットしており、特にコーティング産業向けのサステナブルな高機能原料の分野では、優れた補完的な研究ネットワークを有しています。このネットワークを組み合わせることで、コーティング樹脂の分野でコベストロはさらにイノベーティブな存在となり、顧客にとってさらに魅力的な研究開発のパートナーとなり、顧客の産業におけるイノベーションを推進し、持続可能性を前進させるとともに、サーキュラーエコノミーへの迅速な移行を実現することが可能となります。

大きなバリューを生み出す可能性

RFMをコベストロのCAS事業に統合することで、大きなバリューを生み出すチャンスを得ることができます。当社は、完全統合による永続的(「ランレート」)なシナジーとして、2025年までに年間約1億2千万ユーロを積み上げることを見込んでいます。このうち、約3分の2がコスト面、約3分の1が収益面のシナジーです。例として、コスト面のシナジーは、統合事業における購買・販売・管理体制の平準化が挙げられます。また、収益面のシナジーは、クロスセリング、新規高機能製品の共同開発が挙げられます。

魅力的なバリュエーションと資金調達方法

RFMの現金同等物を考慮すると、16億1千万ユーロの買収総額は、約15億5千万ユーロの純企業価値に相当しますが、EBITに暫定のランレートベースのシナジーを含める場合、RFMの企業価値は2021年EBITの5.7倍となります。EBITに暫定のランレートベースのシナジーを含まない場合は、RFMの企業価値は2021年EBITの10.3倍となります。資金調達については、ファイナンス契約を締結し、エクイティ、デット、手元資金の組み合わせでリファイナンスを行います。これは堅調な投資格付けを維持するという当社の市場に対するコミットメントにも沿ったものです。コベストロは、既存の発行可能株式を活用することで、約4億5千万ユーロを調達することを計画しています。

コベストロCFO兼労務担当取締役のトーマス・トゥプファーは、「今回の買収は、戦略的にも財務的にも絶好のチャンスであり、魅力的な条件と具体的なシナジーの下で長期的な成長戦略を描くことができると考えています。また、選択した資金調達方法により、当社は資本と負債の適正なバランスをとることができます。我々は、コベストロに素晴らしい仲間を迎えることを心より楽しみにしています。手を携え、大きなポテンシャルを共に実現していきましょう」と述べています。

買収手続きの完了は2021年第1四半期となる見込みですが、独禁法上の承認を含む規制当局の承認が条件となります。